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発達障害

発達障害ってなに? わが子の個性を育てるヒント


最近、テレビやSNSでも「発達障害」という言葉を見聞きする機会が増えました。
でも、それがどんな状態なのか、実際にどんな子がいて、どう接したらいいのかまで理解している人は、意外と少ないかもしれません。

わたしも、子どもができるまでは、その一人でした。
けれど今は、「発達障害は“できない”ではなく“違いがある”だけ」だと、心から思っています。

この記事では、ひとりの父親としての実体験を交えながら、「発達障害って何だろう?」という疑問に、できるだけやさしく、具体的にお伝えしたいと思います。
どこかの誰かの、心の中のモヤモヤが晴れるきっかけになればうれしいです。


「この子、ちょっと他の子と違う?」と思ったとき

うちの息子、エイトは今、小学1年生。
世界の国旗をすべて覚えてしまうほどの抜群の記憶力があります。
好きなキャラクターや地図のことになると、誰にも負けないくらい詳しく語れる。

けれどその一方で、
・手先がちょっと不器用だったり
・言葉にするまでに時間がかかったり
・お友達と話すとき、途中で会話が止まってしまったり

そんな場面もよくあります。

最初は「うちの子、大丈夫かな…」と心配になったこともあります。
でも、専門家の方や支援の先生と出会い、「これは発達障害のグレーゾーンかもしれない」と知ってから、少しずつ見方が変わってきました。


発達障害ってなに?

発達障害とは、脳の発達の仕方に個性がある状態を指します。
本人の努力不足でも、親の育て方のせいでもなく、**“生まれつきの特性”**です。

よく知られているものには、こんな種類があります:

■ 自閉スペクトラム症(ASD)

社会的なやりとりや、言葉の裏の意味を読み取るのが苦手なことがありますが、興味のある分野ではずば抜けた集中力や知識を見せることも。

🟡 わが家の場合:エイトは、友達との会話は苦手だけど、国旗の名前は完璧に覚えています。彼の世界の見方を知るたびに、「こんな感性があるんだ!」と驚かされます。

■ 注意欠如・多動症(ADHD)

集中が続かない、落ち着かないなどの特徴がありますが、柔軟な発想や行動力を持っている子も多く、エネルギーに満ちています。

🟡 工夫のヒント:もし落ち着きがないなと感じたら、まずは「じっとしてるのが苦手なだけかも?」と考えてみる。エネルギーの出口を見つけてあげると、驚くほど活き活きしてきます。

■ 学習障害(LD)

読み書きや計算など、一部の学習に困難を感じる一方で、絵や音楽、空間認識といった分野で強みを持っている子もいます。

🟡 ポイント:苦手を克服させようと無理をするより、得意を伸ばすことで自信を持たせるのが大切だと感じています。


「できない」んじゃなくて、「やり方が違うだけ」

エイトの子育てで気づいた、最も大切な視点があります。
それは、

「この子はできないんじゃない。やり方がちょっと違うだけなんだ」

ということ。

たとえば…

  • 曖昧な指示より、「1. 上履きを出す 2. 靴を履く」など具体的に順序立てて伝えると理解しやすい。
  • 集中が続かない時は、「5分やって3分休憩」と短時間で区切ってチャレンジさせてみる。
  • 読み書きが苦手なら、音声入力やAI読み上げアプリを使うことで、本人の“伝えたい気持ち”が伝わるようになる。

こうした小さな工夫を積み重ねることで、エイトも少しずつ「できた!」を増やしています。
そしてその姿に、僕自身が励まされることも多いです。


社会全体が、少しやさしくなれたら

発達障害がある子たちは、喜びも悩みも、私たちと同じように感じています。
ただ「見え方」や「感じ方」が、ちょっと違うだけ。

その違いを受け入れられる社会って、
きっと、誰にとっても生きやすい社会になると思うんです。

僕は今、エイトと過ごす中で、自分の「当たり前」が少しずつ変わってきました。
「こうであるべき」ではなく、「その子なりの形で大丈夫」。
その視点を持てると、心が軽くなりました。


最後に、これを読んでくれたあなたへ

この記事をここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
もしあなたの周りに、少し違ったリズムで生きている子がいたら、どうかこう思ってみてください。

「この子は、どんな世界を見てるんだろう?」

ほんの少し、目線を合わせてあげるだけで、その子の未来は変わります。
そして、その優しさは、きっと自分にも返ってきます。

うちのエイトも、まだまだこれから。
でも、彼の歩幅で、一歩ずつ、確実に前に進んでいます。
僕もその隣で、一緒に歩いていきます。

子どもたちの「できた!」が増える社会を、一緒に作っていきましょう。