こんにちは。「エイトくんのパパ」です。
うちの息子エイトは小学1年生。「お話したい気持ちはあるのに、言葉が出てこない…」そんな様子を、入学してから何度も見てきました。
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは、言葉の理解や会話のキャッチボールに少し時間がかかることがあります。でも、焦らずにサポートすれば、すこしずつ力を伸ばしていくことができます。
今回は、毎日の生活の中で実践できる、会話力を育てる5つの方法をご紹介します。
1. 子どもの興味を話題にする
ASDの子どもがいちばん話しやすいのは、「自分の好きなこと」です。
たとえば、うちのエイトくんは「世界の国旗」が大好き。話題に出すと、目がキラキラして、次々に国名を教えてくれます。
「どこの国旗がいちばん好き?」
「この前の旗、どこのだったっけ?」といった質問をするだけで、自然と会話が弾みます。
大人が無理に別の話題に変えようとせず、「好き」に寄り添うことが、最初の一歩です。
■ 親のちょこっと工夫:
一緒に図鑑やYouTubeを見ながら、「このキャラの名前なんだっけ?」と聞いてみるのも◎。
2. わかりやすく、ゆっくり話す
ASDの子どもは、言葉を「一度にたくさん」聞くと混乱してしまうことがあります。
エイトくんに「きのうの学校どうだった?何が楽しかった?」と聞いたとき、少し固まってしまうことがありました。
でも、「きのうの給食、なに食べた?」→「おいしかった?」→「だれと食べた?」と、1つずつ聞くようにしたら、笑顔で返してくれるようになったんです。
わかりやすい言葉で、短く・ゆっくり話すことがコツです。
■ ポイント:
・質問は「1文ずつ」
・言い換えや繰り返しもOK(例:「遊んだ?」「ブランコで遊んだの?」)
・早口にならないよう、間をあけて話す
3. 肯定的なフィードバックと笑顔で聞く
ASDの子どもにとって、話す=エネルギーのいることです。
だからこそ、「話せた!」という体験に、たっぷりの肯定と笑顔をのせてあげたい。
エイトくんが「◯◯ちゃんが給食で牛乳こぼしたよ」と教えてくれた日、私は「そうなんだ!教えてくれてありがとう!」と伝えました。
すると、うれしそうに、次の日も自分から話しかけてくれるように。
「すごいね」「知らなかった!」「◯◯くんは物知りだね」など、ちょっとした言葉が、子どもの心に火を灯します。
■ ワンポイントTip:
会話中はスマホや家事の手を止めて、子どもの目を見てリアクションしましょう。
4. ロールプレイや運動遊びを取り入れる
言葉は、「使う場面」がイメージできていると出やすくなります。
エイトくんと「給食のとき」「図書室に行ったとき」のごっこ遊びをしてみたら、実際の学校で似たシーンが出てきたときにスムーズに言葉が出せたことがありました。
また、大縄跳びなどの運動あそびもおすすめ。
「せーの!」「いま跳んで!」など、タイミングを合わせる言葉のやりとりが自然と出てきます。
■ 親子でできるロールプレイ例:
- 先生ごっこ:「◯◯くん、プリント配ってくれる?」
- お友だちごっこ:「あそぼうって言ってみようか?」
5. 視覚や触覚も使って呼びかける
ASDの子どもは、耳だけの刺激では注意が向きづらいことがあります。
そこで、「目で見える合図」や「体にふれるサイン」をセットで使うと効果的。
たとえば、エイトくんが何かに夢中になっているときは、
①正面に立つ → ②目を合わせる → ③肩に軽くふれる → ④名前を呼ぶ
この流れで声をかけるようにしています。
すると、言葉が届きやすくなり、スムーズに会話につながります。
■ 補足:
「ふれる」ことに敏感な子もいます。
そんな場合は、声のトーンを下げる/カードや絵で伝える方法もおすすめです。
まとめ:焦らず、毎日の会話を「たねまき」に。
ASDの子どもは、言葉が出るまでに時間がかかることもあります。
でも、「伝えたい」「わかってほしい」という気持ちはちゃんとあるんです。
会話は、無理に引き出すものではなく、そっと芽が出るのを待つたねまき。
親子で少しずつ、「話すことが楽しい」と感じられる毎日をつくっていけたら嬉しいですね。