はじめに
エイトくんは、小学校に入ってからたくさんのお友達に囲まれるようになりました。
でも、ふと気づくと、周りの子たちとの会話が途中で止まってしまうことがよくありました。
「どうして話が続かないんだろう?」
親としては、ただ見守るだけでいいのか、それとも何かサポートできる方法があるのか悩んでいました。
そんなとき、AIツールを活用することで、少しずつ変化のきっかけが生まれたのです。
今回は、エイトくんがAIを使って会話スキルを伸ばし始めたリアルな体験をシェアします。
グレーゾーンの子どもに多い「会話が続かない」問題
グレーゾーンの子どもたちは、相手の言葉を理解したり、適切に返事をしたりすることに少し時間がかかることがあります。
また、興味のある話題には夢中になれるけれど、相手の話題に合わせるのが難しいと感じる子もいます。
エイトくんもまさにそのタイプでした。
- 話しかけることはできるけれど、続かない
- 相手の質問にうまく返事ができない
- 自分の興味のある話にすぐ切り替えてしまう
さらに、周囲の子たちは悪気なく「どうして答えないの?」と感じてしまうこともあり、
エイトくん自身が「ぼく、うまく話せない…」と落ち込んでしまう場面もありました。
会話のキャッチボールがうまくいかないと、自己肯定感にも影響してしまう——そんな危機感を抱いていました。
AIを使って会話スキルを鍛える!実際にやったこと
ある日、「子ども向けコミュニケーション練習アプリ」を試してみることにしました。
このアプリでは、AIがいろいろな質問をしてくれて、それに答える練習ができます。
例えば、
- 「好きな食べ物は何?」
- 「どうしてそれが好きなの?」
- 「お休みの日はどんなことをするの?」
というように、ただ単語で答えるだけでなく、「理由を添えて話す」練習ができるのが特徴です。
エイトくんは最初、少し戸惑っていましたが、何度も繰り返すうちに少しずつスムーズに答えられるようになりました。
大事にしたのは、完璧な答えを求めないこと。
思ったことを素直に伝えることを、何より大切にしました。
会話支援に役立ったアプリと使い方のコツ
今回活用したアプリは、子ども向け対話トレーニングに特化したものです。
【活用のポイント】
- 1回5分だけ、気軽に遊ぶ感覚でやる
- 正しい答えよりも「楽しく答える」ことを重視する
- うまく話せたらすぐに「すごいね!」と具体的に褒める
- 失敗しても絶対に否定しない
さらに、エイトくんが答えた内容に対して、
「それ面白いね!ほかにも好きな食べ物ある?」
と、こちらから広げるようにして会話を続ける工夫もしました。
この小さな積み重ねが、自然な会話の感覚を育てていったのです。
エイトくんの成長体験と変化の兆し
アプリを使い始めて3ヶ月がたったころ。
エイトくんには明らかな変化が見られるようになりました。
- 友達の質問に「うーんとね」と考えながらも、しっかり答えられるようになった
- 相手の話に「へえー!それすごいね」と、共感の言葉を返せるようになった
- 「今日は友達とこんな話をしたよ」と自分から報告してくれる日が増えた
最初は「うまくできるかな?」と心配だったけれど、
エイトくん自身が「話すのって楽しいんだ!」と思い始めたことが、何より大きな一歩でした。
親としての気づきと、これからのサポート
今回、エイトくんと一緒に会話練習に取り組む中で、親として強く感じたことがあります。
それは、
「まずは親が、ゆっくり待つこと」
「子どもが言葉を探している間、口を挟まず信じて待つこと」
です。
焦ると、つい助け船を出したくなります。
でも、子どもが自分の力で言葉を見つけようとする時間こそ、成長にとって大切なんだと実感しました。
これからも、AIツールをうまく活用しながら、エイトくんが「自分の言葉」で世界とつながる力を育んでいきたいと思います。